もっともっと頑張らなければ…
 
と、自分を追い込んで頑張りすぎてしまうこと
ありませんか?
 
 
 
思慮深くて、責任感が強いHSPさんは、
自分にとても高い基準を設ける傾向があります。
  
「礼儀正しくしなければ…」
「自分で責任を持ってやり遂げなければ…」
「すべての人に優しく、親切に…」
 
 
でも、
 
自分でもうけたその高基準を
クリアできたように感じることは
 
あまりなくて、
 
そこにいる人たちが感じている
不快や不足感を敏感に感じ取り、

「自分は全然できていないんだ」
「まだ頑張りが足りないのかもしれない」と
 
さらに基準をあげて
頑張り続けてしまいます。
 
 
 
こんな時、
 
「自分に求めている高い基準を、
 下げましょう」

 
って言われること、多いんですが。
 
 
 
HSPさんにとって、
これってすごく難しいんです。
 
 
 
自分をどんどん追い込んで、しんどさは倍増…。
 
 
 
今回は、
 
そんなしんどさから抜け出すための
お話です。
 
 
 

 
 

1 HSPさんが高い基準を設ける理由

 
なぜ、HSPさんは、
 
自分にそれほどまでに高い基準をもうけて、
頑張りすぎてしまうんでしょう?
 
  
その一つの理由に、
 
自分自身の価値をうまく信じられない傾向
を持つことがあげられます。
 
 
 
神経が高ぶる争いや諍いを好まず、
自分自身がその種になることを避けたいので、
 
常に、
 
自分はちゃんとできているか?
迷惑になっていないか?

 
と、自分自身を不安に思いがちなのが、
その要因の一つ。
 
 
そして、
 
自分が置かれた環境の中で、
どんなことをいわれて育ってきたかも、
少なからず影響しています。
 
 
敏感で繊細、神経が高ぶりやすいという気質は、
 
そうではない人から見ると、
ちょっと不思議で扱いづらい部分があります。
 
そういった周囲のマイナス雰囲気を、
敏感に感じ取ってしまい、
 
さらに自分の価値に
不安を感じてしまうんです。
 
 
自分で自分の価値を
信じることができればいいのですが、
 
こういった理由から、それがとても難しい。
 
 
だからこそ、
自分を維持するために高い基準を設けます。
 
 
今の基準を下げてしまったら、
自分の価値そのものが下がってしまいそう
で、
 
とても怖いんです…。
 

 
 

2 十年後に分かった事実

 
でも、HSPさんは本当に、
 
相手を不快にさせ、
迷惑をかけるばかりの存在なのでしょうか?
 
 
 
ある女性会社員の、こんなお話があります。
 
 
 
彼女は、とても責任感が強くて、
頑張り屋さん。
 
 
仕事でも、
 
与えられた業務に必要と思うならば、
たとえ休日であっても社外勉強会などに参加して
 
どんどん知識と技術を身につけていきました。
 
 
でも、どんなに知識や技術を身につけても、
彼女の中には常に、
 
自分はまだまだ全然足りていない、
こんなことでは周りに置いていかれてしまう

 
という不安がありました。
 
 
いつしか、
一目置かれる存在になっていたんですが、
 
彼女はそれでも、
ただひたすら頑張り続けました。
 
 
 
そんな中、
ある部署への異動を命じられました。
 
 
そこでももちろん100%以上。
 
同僚への気遣いや、他部署への配慮も
欠かしませんでした。
 
 
しかし、実際は困難の連続で、
心が折れそうだったと言います。
 
 
あまりに先のことが読めすぎて、
そのリスクや対策を提案しても、
全く理解されなかったり、
 
周囲のすべてに配慮して、
もっとも効率的で理にかなった方法を編み出しても、
違う価値観の人におされて排除されたり。
 
 
繊細さ、思慮深さ、リスク管理能力の高さが
逆に相手を苛立たせてしまったのです。
 
 
彼女は、
 
「ここでは、
 自分には価値がないのかもしれない」

 
という不安を抱え始めます。
 
頑張る → マイナスの反応 → さらに頑張る …の悪循環。
 
ついに、心と体に不調が出始めました。
 
 
 
そんな時、
十年以上前にいた部署でお世話になった元上司と
 
話す機会があったそうです。
  
 
この話が、彼女が悪循環から抜け出す、
きっかけになりました。
 
「あの頃は大変だったんだよー。
 
 君のことを、
 なんかやっかんでるような人が結構いてさー。
 
 その度に、
 
 『いや、そうじゃないんだよ!』
 
 って、
 なだめたり怒ったり説明したりしてさー。
 
 君はそんなんじゃない!
 そんなこと言われる筋合いはないって思ってたよー」

 
 
十年前といえば、
一目おかれ始めた頃のこと。
 
その頃の彼女は、
自分の価値への不安でいっぱいで、
 
頑張るしかないと必死でした。
 
 
やっかまれていたことにも驚きましたが、
 
それ以上に、
 
上司が自分のことを評価し守ってくれていたことに、
涙がこみ上げてきたそうです。
 
 
 
それ以来、
マイナスの雰囲気を感じ取ることがあっても、
 
「そんなに不安に思わなくていいかも」
 
と思えるようになり、
自分を追い込むことが、ぐんと減ったそうです。
 
 

3「メガネ」をかけていない誰かの力

 
自分の価値に不安を感じていると、
 
何か一つの出来事を通じて、
人からマイナスのイメージを感じ取った時に、
 
まるで、
自分のすべてがそうであるかのように
 
とらえてしまいがちです。
 
 
例えば、相手から
ちょっと不機嫌な雰囲気を感じ取ったとき、
 
「今日はたまたま機嫌が悪いのかも」
 
ではなく、
 
「わたしはみんなを不機嫌にしてしまうんだ」
 
ととらえてしまうように。
 
 
 
このとらえ方が厄介なのは、
 
本当はそこにある別のものが、
全く見えなくなってしまう
こと。
 
 
 
「私なんて全然ダメだ」
 
という「メガネ」をかけて
世の中を見ているようなものですから、
 
それに当てはまるものしか
見えなくなってしまいます。
 
 
そうすると、
そういう事実しか目に入らなくなりますから、
 
「ああ、やっぱり私はダメなんだ」
 
という無限ループが始まります。
 
 
そんなダメな自分をなんとかするために、
自分に高い基準を設けていきますから、
 
ダメな自分 → 高い基準 →
 やっぱりダメな自分 → さらに高い基準 …

 
という悪循環にのまれてしまうんです。
 
 
 
でも、
 
ダメじゃない自分がいることを、
事実として知ることができたなら…。
 
 
 
この悪循環、中断することができます。
 
 
 
彼女の話で言えば、
 
一目おかれ評価されていたという事実や、
自分を守ってくれていたひとがいたことが、
 
悪循環を断ち切ってくれました。
 
 
 
 
こういう事実って、
自分一人じゃ気付けないことがとても多いんです。
 
 
何しろ、
自分自身は「メガネ」かけていますから…。
 
 
 
じゃあ、どうすればいいか…?
 
 
 
自分ではない誰かと話すこと。
「メガネ」をかけていない人の力を借りるのです。
 
 
 
でも、
誰でもいい…というわけでは
もちろんありません。
 
 
 
あなたを理解してくれる人、もしくは、
理解しようとしてくれる人であること。

 
自分の中の“声”を聴くという方法もあります。
 
 
 
HSPさんは、
人と関わる中で刺激をうけて
疲れてしまいますから、

あなたを過剰に刺激する人ではないことが
理想です。
 
 
 
無理は禁物。
 
でも、
 
一歩踏み出して力を借りてみると、
とても大きな発見があったりもします。
 
 
彼女が、
 
彼女を理解してくれていた上司と話すことで
気づくことができたみたいに。
 

 
 
十年待たなくても大丈夫^^
 
 
自分はダメじゃないんだ
 
という事実に気がつくことで、
 
基準を上げ続ける頑張り方が
少しずつ変わっていく、そう感じています。
 
 
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